大体あいつは過保護というか大仰なんだよと、
ヒル魔くんが呆れて言う。
急に寒くなったりすると体の防衛本能が働いて
花粉症や風邪でなくとも鼻がぐずぐず言ったりするもの。
最近では“寒暖差アレルギー”とか言いもするらしいけど、
それにしたってウィルスによる病気とかではないのだから、
そうそう深く案じることもなく。
これが大人だと、鼻が詰まるのへイライラし、別のストレスも溜まるかもだが、
そこまでの症状はなく、くしゃみは出ても熱もなく咳も出ないなら、
マスクをして鼻腔が乾きすぎないよう注意しておればいい。
「まあ、選手と違って俺らみたいに観てるだけの身だと
いくら暖冬だってたって寒いには違いないけどさ。」
子供が遊びに行きたいよぉとせがむのへ
付き合わされる親みたいなもんだよな。
駆け回る方は暑くなるほどかもだけど、
こっちは足元から冷えるったらないし、なんて。
特に意識もしないお顔でしれっと言ってのけたときは、さすがに、
“もしかして
俺らの保護者みたいな境地になっとるのか? あいつ。”
なんて言いたげな、
ぎょっとしたよな空気になってたけどねと、
これは桜庭さんが言ってたんだっけね。
大学生の一等賞を決める、甲子園ボウルも無事に終わって、
社会人チームと日本一を決めるライスボウルは年が明けてから。
暇になったとは言えないけど、練習はやっぱり続いてるんだけど。
でもでも、それでも、
負けたぁという重苦しい空気にもならないまんまで待つクリスマスは格別だし、
それにね? あのね?//////
「誕生日おめでとう。」
「ありがとーvv」
ヒル魔くん曰くの海産物、
ラッコのぬいぐるみを どうぞと贈られ。
贈り物の極上なふかふかさ加減も嬉しかったけど、
それを差し出した大きなお兄さんの心遣いが
一番に嬉しかった小さな瀬那くん。
そのまま仁王様へぎゅうと抱き着いたりしたので、
「〜〜〜〜っ。///」
途端にかちんこちんに固まってしまったこの反応をこそ、
“社会人チームに知られたらコトだよなぁ。”
苦笑交じりに案じてしまった桜庭さんだったのは、
言うまでもないことだったのでありました。
〜Fine〜 15.12.20
*お誕生日ですよね、瀬那くん。
あああ、もっとゆっくり何か書きたかった。
どなたか甘い甘いお話書いて下さらないかなぁ…。
めーるふぉーむvv
or *

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